【清州】地図にない秘密の地下施設が開放!防空壕をリノベした「唐山バンカー」ギャラリー
清州(チョンジュ)の歴史街歩きコースのハイライトとしてご紹介したいのが、忠清北道庁のすぐ裏手に位置する「唐山(タンサン)バンカー」です。一見すると、山沿いの路地に突如現れるモダンなアートスポットですが、一歩足を踏み入れると、そこには驚くべき歴史のストーリーが隠されていました。
84年間、ベールに包まれていた「秘密の戦時指揮所」

このスポットの始まりは、日本統治時代の末期(1940年代)にまで遡ります。当時は空襲から身を守るための防空壕として掘られました。
その後、1950年に朝鮮戦争が勃発すると、戦況悪化時に道知事や政府高官が行政の指揮を執るための「戦時指揮本部(防空非常コントロールタワー)」へと役割を変えます。冷戦期を経て近年まで、分厚い鉄扉で閉ざされた国家の重要保安施設として維持されていたため、市民にとってはまさに「存在は知っていても入れない、地図にない秘密の場所」でした。
そんな歴史の遺産が、2023年11月、実に84年という長い年月を経てついに一般へと全面開放されたのです。
地下の寒気とモダンアートが融合する幻想的な洞窟ギャラリー

現在は、その総延長約200メートルに及ぶアーチ型の地下トンネルをそのまま活かした、ユニークなアートギャラリーとして運営されています。
トンネル内は年間を通じてひんやりとした独特の空気が流れており、夏の暑い時期の避暑にもぴったり。無機質でどこか緊迫感のあったコンクリート壁をキャンバスに見立て、現代美術やデジタルアートが展示されています。
私たちが訪れた時期には、人間の内面を視覚化した『千の感情、万の表情(천개의 감정, 만개의 표정)』という企画展が開催されており、光と影が織りなす幻想的な空間は、まるで異次元に迷い込んだかのような深い没入感を味わえました。
歴史を未来へ繋ぐ、清州の新しい文化発信地

かつての戦争や冷戦の暗い遺産を壊して消し去るのではなく、平和や芸術、そして市民が憩う文化空間へと見事に生まれ変わらせる韓国のダイナミックなクリエイティブさには、本当に圧倒されます。カフェや道庁の近代建築巡り(→コチラ)やレトロ路地裏歩き(→コチラ)と合わせて、ぜひ体感してみてください。
スポット情報
【唐山バンカー (旧・忠清北道戦時指揮本部)】
忠清北道 清州市 上党区 大成路106番ギル
(충청북도 청주시 상당구 대성로106번길)周辺
10:00〜18:00(月曜日休館)
入場料: 無料
道庁のすぐ真裏にあるため、近代建築巡りのルートにそのまま組み込めます。
